この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
妻から離婚調停を起こされました。離婚すること自体は同意しますが、妻の弁護士が主張している離婚条件、特に財産分与は妻の都合のいいように主張がされているように思います。また、妻は不貞を理由に慰謝料も請求してきていますが、誤解されるようなことはあったかもしれませんが、私は不貞などしていません。
解決への流れ
財産分与となる共有財産の範囲、財産分与の基準時、共有財産である預金口座の残高中の特有財産の有無、不動産の評価額・評価時点など、様々な点で妻側の主張は自己に都合のいい主張を繰り返していました。そこで、妻側に主張の根拠について釈明を求めながら、裁判実務に基づき反論をしてき、結果的に、当初の妻側の請求と比べると数百万円低い金額を財産分与することで合意が出来ました。また、慰謝料請求についても、確かに誤解を生じかねない状況があったものの、それが判例からいって不貞と判断される可能性は低いと考えられたため、結果的に妻側は慰謝料請求を断念しました。
財産分与は夫婦の共有財産を2分の1ずつ分けるということが原則です。もっとも、実際の事件ではその割合に基づいてスムーズに財産分与が決まる場合ばかりではなく、そもそも共有財産であるのか、各財産の評価額、財産分与の基準時などの様々な点が争点となり、その各争点の結論によっては財産分与の最終的な金額が大きく変わってくる場合も多々あります。そのため、相手方の主張は冷静に分析・検討したうえで、対応方針を検討していく必要があります。