この事例の依頼主
30代
相談前の状況
出来心でサウナの入浴客の財布を盗んでその場で逮捕されてしまった男性の兄から依頼を受けて弁護活動に入りました。警察に逮捕されたことを勤め先にも知られてしまった男性は、一日も早く釈放を勝ち取ることによって事件が重いものではなかったことをアピールし、解雇だけは免れたいという希望を強く持っていました。そこで、私は、被害者への謝罪を急ぐともに、勾留(10日間の身柄拘束)に対して準抗告と呼ばれる不服申し立てをする方針で事件を受任しました。被害額が多額ではないことや、男性の父親や兄が、しっかりした仕事を持っており釈放された後もしっかりと監督をしてくれることをアピールして、勾留を却下してもらおうという見通しを描いたのです。
解決への流れ
幸い、被害者の方には2日後には連絡が取れ、すぐに男性のご家族とともに謝罪に出向きました。男性に書いてもらった謝罪文も手渡しました。その上で、裁判所に対しては、男性を勾留する理由はないとして準抗告申立てをしました。準抗告は認められ、男性は勾留6日で釈放されました。事件はその後不起訴となって、男性の前科として記録に残ることもなく終わりました。勤め先の会社では事実上の降格扱いとなりましたが解雇はされず、今も同じ会社で働いています。
検察官を通じて早期に被害者に連絡を取ることができ、ご家族と一緒に頭を下げて、和解をすることができました。迅速な初動の対応が早期の釈放につながり、ひいては勤め先を解雇されずに済む要因になったと考えています。特にご家族の方から深く感謝されて信頼を得て、その後もお身内やご友人が抱えた事件の紹介をいくつか受けています。