この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
病院側は、採血後に上肢に強い痺れ・痛みが生じていることは認めたが、その痛み・痺れが採血により生じたとは言えないとして補償・賠償請求を否定した。
解決への流れ
今日、採血の際に神経を損傷したとして補償の可否が争われる事案が多く提起されている。そこでの争点は、本件と同様、採血の際に神経が損傷されたか否かである。この点について、これまでは、採血後に生じた痛み・痺れは、神経障害性の痛み・痺れであるとの「整形外科医の診断書」を証拠として提出されている。しかし、この診断書では採血針によって神経が損傷された自体は直接証明できていない。そこで本件では、神経に関する専門医である「麻酔科の医師による採血部分の神経そのものが直接損傷されているとの診断書」を提出することで、採血針により「直接に神経が損傷された」結果、高度の神経障害の後遺障害が生じたことが証明できた。
本件において、採血の際の神経損傷の証明のために、整形外科の診断書に加え、神経の専門医である麻酔科の医師による「採血部位付近の神経が損傷されている」との内容の診断書が極めて有効であった。このことは、類似の事案についての参考となり得るといえる。