この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
ご依頼者のお兄様が亡くなられ、相続が発生したという事案でした。お兄様は生前、認知症が進んでいましたが、遺言書を作成しており、その内容は弟であるご依頼者には相続をさせないというものでした。ご相談者は、お兄様が認知症を患っている中、作成したこの遺言の内容は信頼できないものであると考え、当事務所にご依頼をされました。
解決への流れ
相手方は、医師にも確認した上での遺言書であると主張しましたが、当方は、遺言書の問題点を強く指摘し、お兄様がこの遺言を作ったときには意思能力が認められず、遺言は無効であると争いました。当方の指摘に反論しきれず、相手方は話し合いに応じました。結局、訴訟にもならず、ご相談から半年程度で解決することができました。その結果、ご依頼者は多額の遺産を取得することができたのです。
その後も、お兄様が遺贈する旨の遺言書を作成していると主張する者が現れ遺産の返却を求められるなど、ご依頼者は大変に困惑しておりました。(親族ではない者です。お兄様は遺言書を複数作成されていたのです。)高齢化社会に伴い、認知症の状況にて遺言書が作成され、このような争いが生じる危険は高まってゆくことでしょう。なお、当事務所は成年後見人も数多くつとめさせて頂いております。生前に信頼のおける成年後見人がいれば、このような事態は未然に防ぐことができます。生前は成年後見人を誠意を持ってつとめさせて頂き、相続人ら全員にご信頼頂きましたことで、ご逝去後も引き続き遺産分割協議の調整をさせて頂き、無事、争いなく相続が終了した事案も数多くあります。ご生前からご相談にいらっしゃることで、争いの芽を事前に摘んでおくためのお手伝いをすることができるのです。