この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼者は30代・パート社員。元夫は40代・会社経営者。子どもは小学生の長女と二女がいました。元夫は親の代から相続した会社を経営。結婚当時は、経済的には裕福な生活をしていました。しかし、2年前、夫から一方的に離婚を告げられた。依頼者は夫の要求に逆らえず、離婚届に捺印し子どもらを連れて家を出ました。その後、夫には離婚前から交際女性がいたことが分かり、納得できない気持ちになり、当事務所に相談・依頼に来られました。
解決への流れ
離婚後2年経過していなかったことから離婚財産分与の調停申立てをしました。元夫の財産の大半は結婚前に親から相続した会社関係財産であり、元夫は特有財産(財産分与の対象外)であると主張しました。しかし、婚姻期間中に資産が増加した部分があることや元夫の女性関係の慰謝料的要素を加味し、金500万円を支払う調停が成立しました。
離婚財産分与は、離婚後でも2年間は請求することが可能です。夫が結婚前に親から相続した会社関係財産(株式等)は、基本的には夫の特有財産となります。しかし、婚姻期間中に価値が増額した場合は増額分について財産分与の対象となり得ます。また、財産分与に際しては「一切の事情」が考慮されるため、不貞慰謝料的要素も加味して財産分与額を取り決めることもあります。このケースで、当事務所は、元夫の慰謝料的要素を調停委員に分かってもらうことが重要と考えました。そこで、婚姻中に別の女性と交際して、財産分与も慰謝料も払わず一方的に離婚し、すぐに再婚した元夫の身勝手さや依頼者の気の毒な事情について粘り強く説明しました。その結果、調停委員の共感と後押しを得て、財産分与500万円の解決に繋げることができました。元夫に身勝手な離婚を押し付けられてから2年、一矢報いることができました。