犯罪・刑事事件の解決事例
#物損事故

古い車両の全損事案で、物的損害について、保険会社の事前提示額の2倍以上の賠償額を獲得した事例

Lawyer Image
村林 優一 弁護士が解決
所属事務所村林法律特許事務所
所在地三重県 津市

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

交通事故により、依頼者は、車を廃車することを余儀なくされました。修理費用が時価額を大きく上回る場合、賠償額は後者が限度になります。車は相当古く、かつ走行距離が20万kmを超えていたため、賠償額が相当低額に抑えられることが懸念されました。実際、保険会社からは、新車価格の1割である15万円程度の賠償案が提示されました。

解決への流れ

依頼者の代理人として受任し、保険会社と示談交渉をしました。インターネットの中古車サイトで同年式・同車種の販売額を検索し、10万kmを超える過走行車に絞っても、平均20万円以上で販売されていることを指摘しました。さらに、全損時の賠償額は、時価額に買替諸費用を加えた金額であるところ、買替車両の見積書を基に、納車費用や法定手続費用など、20万円近い諸費用の上乗せを主張しました。結果、合計40万円以上の損害(過失相殺前)が認められ、それを前提にした和解が成立しました。

Lawyer Image
村林 優一 弁護士からのコメント

全損事案は、愛車をぐしゃぐしゃにされた挙句、修理費全額も出ないという点で、被害者の不満が強くなる事案類型です。経済的全損という考え方自体は、法的な理論なので仕方ないところはあります。しかし、保険会社が提示する時価額が適切なものなのか、市場価格はもっと高いのではないかと検討する余地があります。さらに、時価額に加算すべき買替諸費用は、被害者側から指摘しなければ、保険会社は上乗せしてきません。地道な調査を行い、賠償額を底上げして適正にするという、被害者の味方の弁護士として当然の作業をした事案です。