犯罪・刑事事件の解決事例
#損害賠償請求

事実上、相手方に損害賠償請求(200万円)を断念させた実例

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松本 佳朗 弁護士が解決
所属事務所ゴッディス法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

20代 女性

相談前の状況

相手方の容姿を侮辱する内容を掲示板サイトへ投稿した後、相手方代理人(弁護士)より200万円の慰謝料請求を受けておりました。ご相談いただいた日に即日介入し、慰謝料が高額に過ぎるとの主張を粘り強く、また強気の交渉を行っていたところ、相手方代理人からの連絡が半年以上は途絶え、訴訟提起や刑事事件化されることなく終了した案件です。

解決への流れ

相手方代理人に対して、本件の慰謝料の相場は10万円程度の案件であることを粘り強く交渉しました。相手方代理人は、本件が刑事上の侮辱罪に該当するとして、暗に刑事事件化を示しながら、最低でも100万円出なければ和解できないとの回答を受け続けていました。しかし、如何に刑事事件化されようとも100万円もの解決金を支払うべき案件ではなかったため、刑事事件化されるリスクは取りつつも、変わらず低額の解決金の打診を継続しました。その結果、相手方代理人より連絡は途絶え、当職より状況確認の連絡を行っても何らの反応も無くなりました。よって、相手方に慰謝料の請求を事実上断念させた案件となりました。

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松本 佳朗 弁護士からのコメント

インターネットのトラブルでは、民事上の責任にとどまらず刑事上の責任を負い得る場面が多くあります。名誉棄損罪、侮辱罪、強迫罪、リベンジポルノ、条例違反などです。しかし、残念ながら、インターネット上のトラブルは、日々、数えきれないほど発生しているため、刑事事件化される案件はほんの一握りに過ぎません。名誉棄損等の案件に注力している弁護士であれば上述の罪で刑事事件化することが如何に難しいことか理解していますが、相手方代理人からは当然のように刑事事件化をほのめかされることも多く、増額交渉の材料にされてしまいます。中には当たり前の様に被害届を受理してもらえると考えている代理人もおられます。このような代理人に対しては、必要以上に刑事事件化を恐れず、慰謝料の相場を見誤らない交渉が必要となります。本件は、刑事事件化される可能性の程度、および慰謝料の相場が的を得ていたため、相手方代理人としても有効な反論を展開できず請求を断念したものと思われます。損害賠償の請求を受けている案件では、本件のように、相手方が当初の見込みと大きく異なる結果に終わることが想定される状況になった場合に、何らのアクションも起こさず終了するケースも珍しくはありません。また、このような状態に陥った際、時効の問題もあるため、一旦、請求を断念した相手方が1年後、2年後に再度請求してくることは考え難く、当職の経験としても無いです。そのため、事実上、請求を断念させることに成功したと言えるでしょう。