この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
ご依頼者は、住宅ローン約3000万円、消費者金融からの借入金約1000万円を負っていたところ、子供の成長に伴って日常生活費が増加していった結果、消費者金融に対する返済が徐々に滞るようになりました。そこで、ご依頼者は、法的な整理を希望され、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
ご依頼者は、自宅を失うことだけは絶対に避けたいとのご意向であったところ、幸いなことに、ご依頼者は、住宅ローンを滞納しておらず、また、毎月の給与として相応の金額を支給されていました。そこで、当事務所は、住宅ローンについては約定どおりに支払っていくものの、その余の負債については5分の4相当額を免除してもらい、残る5分の1相当額を分割にて支払っていくという個人再生手続きを用いることが本件では可能と判断し、その旨ご提案したところ、ご依頼者もご納得されました。この点、一般的な個人再生の場合、住宅ローン以外の負債については、5分の1相当額を3年間で分割して弁済することになりますが、本件では、ご依頼者の娘さんが来年から下宿して私立大学に進学する予定であり、そのための費用をご依頼者が近い将来負担することが想定されていました。そのため、本件では、毎月の返済月額を抑え、娘さんが進学された場合に必要となる諸費用を安定して給与から支出できることが条件となりました。そこで、当事務所は、5分の1相当額の分割払いの期間を原則たる3年間ではなく5年間に延長した上で個人再生計画案を作成したところ、裁判所も理解を示し、5年払いでの再生計画案を認可するに至りました。
本件では、ご依頼者の娘さんが私立大学に進学する予定ではありましたが、実際の受験日はまだ先であり、来年に本当に進学して下宿を開始するのかについては不確定な状況にありました。そのため、当事務所は、進学可能性が高いこと、進学した場合に予定される諸費用額などを資料を用いて説明した上、5年払いでなければ家族の生活維持に支障が出ることを丁寧に論じることにより、無事に分割払いの期間を5年間とすることを認めてもらいました。