犯罪・刑事事件の解決事例
#不当解雇

地位確認訴訟(不当解雇無効)を2回の期日でスピード解決し,解決金500万円を獲得した事例

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結城 祐 弁護士が解決
所属事務所城北法律事務所
所在地東京都 豊島区

この事例の依頼主

50代

相談前の状況

今回は,私が弁護団の一員として,地位確認訴訟(解雇無効による復職)を2回の期日でスピード解決し,解決金500万円を獲得した事例を報告したいと思います。ご依頼者様(以下「X氏」といいます。)は,2013年頃から会社(以下「Y社」といいます。)から給料を減額されていたところ,2014年頃から上司Aから人格を否定されるような暴言を繰り返されるようになりました。加えて,Xは,Aの意に沿わない言動をしたということを理由に,始末書の提出も繰り返し求められるなどしました。このような取り扱いに耐えられなくなり,X氏は,Y社に対して,Aによるパワハラの中止や基本給減額分の支払い等を求める上申書を提出しました。ところが,Y社は,この上申書の提出を受けて,X氏の就業状況が著しく不良で就業に適しないことを理由に解雇しました(以下「本件解雇」といいます。)。その後,X氏は,労働組合に所属し,団体交渉を継続してきましたが,団体交渉での解決は無理と判断し,法廷で闘うべく当事務所に相談にいらっしゃいました。そして,私を含む,城北法律事務所の3名の弁護士が受任しました。早期解決可能な労働審判を選択する途もありましたが,主張立証を十分に尽くすことのできる裁判を選択することにしました。

解決への流れ

提訴前の打ち合わせにおいて,X氏が事前に詳細なメモを持参し要領よく事案を説明する姿勢や,取引先から営業姿勢について高く評価する手紙が出ていたことから,弁護団は,X氏の就業状況が著しく不良で就業に適していないというY社の言い分は,間違っていると即断できました。訴状においては,解雇無効(復職時までの賃金の支払いを含む。),未払い賃金,退職強要及びパワーハラスメントに対する慰謝料請求(使用者責任)を軸に,それぞれ証拠に基づいて,克明に事実を主張していきました。そうしたところ,第1回期日において,Y社代理人から,訴状の請求額を丸呑みする形で,復職ではなく会社都合による退職とする和解案を出してきました。とにかくこの場で和解をしてくれと懇請するY社代理人を,裁判官が「そうもいかないでしょう。」と押しとどめてくれました。一度持ち帰り,X氏と協議した上で,2回目の期日で訴状の請求額丸のみとなる500万円での和解することとなりました。

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結城 祐 弁護士からのコメント

このように,訴状の請求額丸のみとなる500万円での和解となった理由は,Xの誠実な働きぶりが,証拠に基づいた事実として訴状に克明に現れていたからだと思います。X氏は10年以上働き続けたY社に愛着があり,営業の仕事もやりがいを感じていました。ですから,なおも悔しい気持ちもあったと思いますが,事件後にはすっきりしましたと喜んでいただけました。