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腰椎圧迫骨折による脊柱変形の後遺障害(11級7号)に認定された方について、当初の提示額より約750万円増額した事例

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江畑 博之 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人美咲
所在地新潟県 新潟市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

依頼者は、交通事故により腰椎圧迫骨折等の重傷を負い、治療を継続しましたが、腰痛の症状が完治せず,後遺障害の申請をしたところ、11級7号の後遺障害が認定されました。認定された後遺障害の等級の妥当性について相談したいとのことで当事務所にお越しいただきました。

解決への流れ

相談後、後遺障害の妥当性について検討するため、依頼をお受けしました。認定された後遺障害は脊柱の変形障害でしたが,認定された等級より上位の後遺障害が認定される可能性があるか調査するため、依頼者のMRI画像の鑑定を行いました。画像鑑定の結果、認定された等級以上の後遺障害を獲得する可能性が低いことが判明したため、認定された等級を前提に賠償額の計算を行いました。保険会社の提示額と当事務所で計算した裁判基準での賠償額との間では相当の開きがあり、当事務所の方で保険会社と交渉を行いましたが折り合いがつかなかったため、依頼者の希望により裁判を提起しました。裁判の中で大きな争点となったのは逸失利益でした。逸失利益は,交通事故による後遺障害がなければ将来得られたであろう収入等の利益を指しますが,本件では認定された後遺障害が将来の収入にどの程度の影響が及ぼすか(労働能力喪失率の問題)という点が争われました。保険会社は,認定された後遺障害の内容が運動障害を伴わない脊柱の変形であったことから,労働能力に制限が生じることはないと主張してきました。これに対し,当事務所の方では,脊柱の変形に伴って腰や背中の疼痛が発生している点等を挙げ,実際に仕事にも影響が出ていること等を主張しました。その後、ある程度裁判が進行した段階で、裁判所から和解案が示されました。争点となった逸失利益については,依頼者の腰痛等の症状が将来的に軽減する可能性がある点を踏まえて,請求額よりも多少減額されたものの,弁護士費用や遅延損害金(交通事故による損害額元金に事故日から年5%の利率をかけたもの)についても一定程度考慮した和解金が示されました。和解金は,当初の保険会社の提示よりも約750万円増額されたものでしたので、依頼者にも納得していただき、裁判所提示の和解金で和解することとしました。

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江畑 博之 弁護士からのコメント

裁判でも争点になったように、脊柱の変形障害は明確な運動障害が生じないことが少なくないことから、逸失利益について争われることがあります。この点、脊柱の変形障害が生じている場合には、背中や腰等に痛みを伴うことが多いため,このような痛みによって実際に仕事に支障を生じさせていることを具体的に主張する必要があります。