この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
Dさんは40代の妻と大学3年の子ども一人の3人家族です。もともと転勤の多い仕事で,この10年間ほどは,転勤先の大阪と自宅のある関東を行き来しています。専業主婦の妻がDさんの実家の両親と仲が悪いことから,たびたび板挟みとなり,辛い思いをしてきました。Dさんは,どちらかというと大人しい性格で,勝ち気な妻と強気な実母との間に挟まれて,何も言えずに間で困ってしまう,ということを繰り返してきました。Dさんは,一人っ子で,両親の面倒は私がみるほかありません。Dさんは,自分の両親のことを毛嫌いする妻が,将来,自分が年老いた時にも,同じような態度を示すのではないかと不安に思うようになり,いつまでも,妻との婚姻関係を継続しても仕方がないと思うようになり,離婚を決意しました。Dさんは,妻と離婚をしたいと思い,調停を申し立てて話し合いを継続したのですが,離婚するならお金を支払ってほしい,と,途方もない金額の財産分与を請求されています。
解決への流れ
離婚調停で話し合いを継続しても,不当に高額の金員を要求されて話が進まないようであれば,離婚訴訟を提起して,訴訟の中で適切な財産分与額の主張をされてはいかがでしょうか。訴訟による手続は,専門的で難しいことと思いますので,弁護士にご相談,ご依頼されることをお勧めします。
離婚訴訟では,調停と異なり,裁判官の訴訟指揮のもと,双方,財産分与の主張,整理を行っていくことになります。ご自身も,自分の財産調査を進め,預貯金,保険の解約返戻金額,有価証券,退職金見込額等の夫婦共有財産を,証拠と共に明らかにする作業を行っていく必要があります。その上で,財産分与を2分の1として計算し,適切な財産分与額を裁判所で決めてもらう方が良いでしょう。なお,子どもがいる場合には,相当な養育費を支払うことや,婚姻期間中の年金分割については0.5とされる結果が予想されます。