この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
歩行中に車に轢かれました。今も、足が痛いです。後遺障害等級が非該当との結論が出ました。結果に納得がいきませんし、保険会社と自分で交渉できる自信がありません。示談交渉を依頼したいです。
解決への流れ
弁護の依頼を受けた後、すぐに調査を開始しました。依頼者は、足の痛みの点に強いこだわりを持っており、相手方保険会社もそこだけを対応していました。しかし、記録を見ると、依頼者が脳神経外科に通院している事実がわかりました。それから、事故状況、事故直後のケガの状況を調査し、依頼者から現在の状態をヒアリングし、依頼者に高次脳機能障害が発生しているのではないかと疑いました。その後、依頼者に各種検査を受けてもらいました。その結果、高次脳機能障害であるとの診断を受けました。あらたな後遺障害診断書等の資料をもとに、等級結果に不服申し立てをしたところ、高次脳機能障害が認定され、9級の等級が認められました。その後、相手方保険会社と賠償交渉を行いました。最終的に、相手方の当初提示額の2倍である約2000万円で示談することができました。依頼者が想像していなかった結果に終わったのと、ご自分の抱える障害を知ることができて、大変喜んでいただけました。
この件は、関係者が高次脳機能障害の存在に気付かず、依頼者が弁護士に相談しなければ、また、弁護士が気付かなければ後遺障害として認定されることはありませんでした。気付かないまま示談していれば、賠償金額は、約1700~1800万円の差が出ていたと思われます。今回は、弁護士が高次脳機能障害について一定の知識を持ち、しっかりと調査をしたことで、依頼者の依頼当初の要望以上の解決をすることができました。