この事例の依頼主
20代
相談前の状況
バイクでの事故で左大腿骨を骨折し、後遺障害等級12級相当の関節障害が残りました。疼痛が残り、仕事や収入にも影響が出ていましたが、相手方保険会社の提案は、既払の休業損害を含め400万円程度の賠償額であり、金額に納得ができないとのことでした。また、後遺障害等級に関しても、足の短縮があると医師に指摘されたとのことから、10級相当を目指して異議申立をすべきかと悩まれていました。
解決への流れ
まず、後遺障害等級を争い10級の獲得を目指すべきか検討しました。病院から医療記録を取り寄せ、事故以降の治療状況を把握し、主治医と面談を行い、画像から足の短縮があると医学的に証明ができるか否かに関して見立てを行いました。結果として、主治医が足の短縮の根拠となる画像上の所見を否定したため、依頼者は異議申立を断念しました。その後、後遺障害等級12級相当を前提に、相手の保険会社と交渉をしました。特に、慰謝料や20代という若年者の後遺障害逸失利益につき、事前提案では極めて低額に提案されていたところ、裁判例の水準に沿った金額で交渉を続けました。最終的には、通院慰謝料、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益につき増額となり、保険会社による事前の提案からは600万円ほど高額な賠償額で解決をすることができました。
本件では、医学的な調査・検討を尽くした結果、後遺障害等級の異議申立を断念すべきとの判断に至りましたが、調査や医学的根拠を精査した上での判断でしたので、相談者に悔いが残ることも無かったように見受けられます。交渉の結果、相談時点の見込みどおりの賠償額の上昇が実現できたので、満足の行く結果になった、依頼をしてよかったとのお言葉をいただきました。