この事例の依頼主
50代 男性
Sさんは、大きな会社に会社員として勤務していました。家計の管理は妻に任せ、Sさん自身は詳しいことはよく分かりませんでした。ただ、支出が大きく、収入が貯蓄に回ることはありませんでした。Sさんは、貯蓄を増やしたいとは思っていましたが、借金までしないといけない状況ではなかったため、特に家計の管理には触れずにいました。ただ、子どもが大きくなり大学の授業料が多くなったところから状況に変化が生じます。具体的には、貯蓄がなかったため、授業料を支払うために教育ローンを組んだため、その返済が家計にのしかかることになりました。また、タイミング悪く親が病気になり、介護の費用の負担も生じるようになり、銀行やクレジットカードでの借入もするようになりました。支出を絞ることができれば何とかなったのかもしれませんが、これまでの支出を続けてしまったことから、借金は雪だるま式に一気に膨れ上がりました。気が付くと、借入は15社で800万円、返済額は毎月20万円程度で毎月増えている状況。返済に限界を感じたSさんは債務整理をしたいとして相談に来られました。
収入がある程度ある方であったため、債務を圧縮して支払っていく個人再生ができないかを最初に検討しました。ただ、支出が膨らみがちであることに加え、住宅ローンの負担が重いこと、Sさんの定年が近いこともあり、3年間支払いを継続できる見通しは立ちませんでした。そのため、家は手放し、自己破産で手続きを進めることになりました。Sさんの家計は支出が膨らみがちでしたが、浪費とまでは言えないもので、特に破産手続でも問題にはなりませんでした。収入があるだけに、資産もある程度あったため、手放す必要がある部分もありましたが、可能な範囲である99万円の現預金・その他の資産を残すこともできました。破産と免責の手続きは順調に進み、最終的に無事免責が認められ、Sさんは借金のない生活を取り戻すことができました。
ある程度収入がある方でしたが、一定の財産を残し、借金の免責が認められました。自己破産により、借金返済に追われることのない生活を取り戻すことができたのが、大きな成果といえると思います。また、破産をしても全ての財産を手放さないといけないわけではありません。借金が増えたものの、破産や個人再生、任意整理等の借金整理には不安を感じている方も、相談することで方向性が見えることがあります。一度ご相談いただければと思います。