この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
夫婦喧嘩を繰り返すようになった夫が小学3年生の長男を連れて突然別居した事案妻は、子を返してほしいと要求。その他、夫は別居時に警察や児相、学校に根回しして、妻に子を引き渡さないよう要求したり、母親を非難する手紙を母親の親友に渡すなどの非常識な行動に出た。
解決への流れ
妻に対する子の引き渡し・監護者指定の仮処分→本案訴訟を提起。審判当時、すでに別居は一年以上に及び、父子とその監護補助者との生活も安定したものであったが、上記保全処分・本案訴訟のいずれも、妻への子の引き渡しと監護者指定を命ずるものであった。夫→抗告。高裁でも原審維持。今後、離婚訴訟提起予定。
夫が別居に至った原因は少なからず妻側にあると認定され、父子の生活も一年以上に及び安定したものであったが、夫婦の問題に子を巻き込み、妻に相談もせず連れ去ることは子の福祉を害すると判断された。裁判所は、従前の主たる監護者(本件では妻)から一方的に子を引き離す行為自体が子を混乱させ、子の福祉を害すると判断する傾向にある。