6088.jpg
プロ野球選手会「現役ドラフト」「FA期間短縮」など提案、背景に独禁法も
2019年03月26日 14時02分

労働組合・日本プロ野球選手会(会長・炭谷銀仁朗=巨人)は3月26日、野球をより魅力あるものにするための提言「選手会ビジョン2019〜魅力ある野球界のための好循環を目指して」を発表した。出場機会の少ない選手を対象にした「現役ドラフト」の創設などを提案している。

提言は大きく、(1)野球の普及・育成環境の整備、(2)魅力あるプロ野球の構築、(3)引退後の充実ーーの3つの柱からなる。

野球の裾野を広げるとともに、選手として活躍しやすく、引退後も安心できる環境をつくることで、一層の発展を目指す。背景には、野球人口の減少に対する危機感もあるという。

労働組合・日本プロ野球選手会(会長・炭谷銀仁朗=巨人)は3月26日、野球をより魅力あるものにするための提言「選手会ビジョン2019〜魅力ある野球界のための好循環を目指して」を発表した。出場機会の少ない選手を対象にした「現役ドラフト」の創設などを提案している。

提言は大きく、(1)野球の普及・育成環境の整備、(2)魅力あるプロ野球の構築、(3)引退後の充実ーーの3つの柱からなる。

野球の裾野を広げるとともに、選手として活躍しやすく、引退後も安心できる環境をつくることで、一層の発展を目指す。背景には、野球人口の減少に対する危機感もあるという。

●有名選手以外、移籍を選べない

特に野球ファンの関心を集めそうなのが、「魅力あるプロ野球の構築」として提案されている「現役ドラフト」と「FA期間の短縮」だ。

プロ野球選手は、入団したチームの環境に長期間拘束される。一握りの有名選手によるFA宣言を除くと、チーム事情によるトレードやFA補償、戦力外後の移籍くらいしか、チームを移る機会がない。

入団したチームの環境が合わなければ、実力が発揮できなかったり、成長の機会を逃したりする。一方で、能力を秘めている選手ほど、「他チームで活躍されると困る」ということで「飼い殺し」になる危険性がある。

選手会では、メジャーリーグ(MLB)や韓国プロ野球(KBO)の制度を参考に、出場機会の少ない現役選手を対象にしたドラフト制度の創設を提案している。

また、FA権の取得までの期間を短くしたり、選手が気兼ねなく制度を活用できるよう「人的補償」の制度をなくしたり、移籍制度の流動性を高める施策も盛り込んだ。

●背景には公取の姿勢も

選手の権利向上を目指す背景には、公正取引委員会が2018年に発表した報告書の存在もある。

独占禁止法の労働分野(人材市場)への適用可能性を探ったもので、スポーツ選手や芸能人らの移籍制限に対し、厳しい視線を投げかけていた。

他競技では、日本ラグビー協会が2018年にトップリーグの選手が移籍後1年目から公式戦に出るために必要だった前所属チームの「選手移籍承諾書」を撤廃。陸上の日本実業団陸上競技連合も2019年、移籍制限規定の見直しを決めた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る