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恋愛禁止、結婚禁止、海外旅行も禁止・・・「うたのおねえさん」の掟は合法か?
NHKの幼児向け番組「おかあさんといっしょ」に出演する「うたのおねえさん」を2008年から務めてきた三谷たくみさんが今年3月末での卒業を発表した。すると、2003年からうたのおねえさんを務めたタレントのはいだしょうこさんがかつて明かした「うたのおねえさん」の厳しい「掟」がネット上で話題になった。
はいださんは、2014年に出演したテレビ番組で「恋愛禁止」「結婚禁止」「『おかあさんといっしょ』以外の仕事禁止」などの「掟」があったことを告白した。代役をたてられないので事故等で帰国できなかった時に困るからと、海外旅行も禁止されていたという。
こんな「うたのおねえさんの掟」について、ネット上では「アイドルより厳しすぎ」という指摘が出ている。「週6日全部仕事で副業とか立ち食い恋愛全部駄目で、民放の番組にも出れない」「それを8年間続けてきたって最強」という声もあった。
子どもに与えるイメージを守るという目的があるのかもしれないが、タレント個人に恋愛・結婚禁止や海外旅行禁止などの厳しいルールを課すことは、法的に問題ないのだろうか。太田純弁護士に聞いた。
在日ロシア人に対する差別的投稿は「許されない」 ヘイトスピーチに詳しい弁護士が警鐘
ロシア軍によるウクライナ侵攻をめぐって、国際的な非難が高まる中、SNS上では、ロシア人に対する誹謗中傷・嫌がらせも広がっている。
日本国内も例外ではない。NHKによると、千葉市で料理店を営むロシア人のSNSには「母国に帰れ」という書き込みがあったという。また、日本に住むロシア人YouTuberのコメント欄にも嫌がらせがあったようだ。
実際にツイッターを検索してみると、「ロシア人は日本から出ていけ」「ロシア人を日本から追い出せ」といった言葉が少なからず投稿されていることがわかる。ここには書きたくないようなひどい投稿も見つかる。
日本では、2016年から「ヘイトスピーチ解消法」が施行されているが、在日ロシア人に対して「出ていけ」などというような投稿は問題ないのだろうか。神原元弁護士に聞いた。
増税は死後まで追いかけてくる!? 「死亡消費税」ってどんなもの?
「国って本当にあらゆる所から金集めるんだなぁ」「死んでも税取られるとかほんとないわー」。死んだ人の財産に一定の税率をかけて徴収するという「死亡消費税」。昨年6月に政府の会議で経済学者が提案したものだが、ここにきて、いくつかの雑誌が取り上げ、関心が広がりつつある。
人が亡くなったときの税金といえば、遺産を相続したときにかかる相続税があるが、死亡消費税は、それとどう違うのか。また、死亡消費税には、どういった狙いがあるのか。大和弘幸弁護士に聞いた。
彼氏と一緒に入った喫茶店で「何も注文しません」「水ください」…迷惑客の法的問題
居酒屋に入店してすぐ、オーダーを取りに来た店員に「お水をください」という客、喫茶店なのに「私は注文しません」という客。店員や店主にとっては頭痛の種だ。
ネットの掲示板では、居酒屋を経営する人から、最後の口直しとしてならともかく「最初からだとイライラします」とのコメントもあった。また、ある女性は、友人と喫茶店に入ったところ、その友人が「お金高いしお腹いっぱいだから」と何も注文しなかったことについて、「私は喫茶店に入るのなら何かしら頼むのが普通」と考えていた。
実生活でも、ネット上でも、たびたび議論が沸騰するテーマだが、法的な観点からもこの問題を考えることはできるのだろうか。消費者問題に詳しい福村武雄弁護士に聞いた。
まさかの逆転勝訴? 金魚電話ボックスの「著作権侵害」が認定されたポイントを分析
奈良県大和郡山市の商店街に設置されていた「金魚電話ボックス」が、自分の作品に酷似しているとして、現代美術家の山本伸樹さんが、商店街などを相手取り、330万円の損害賠償をもとめていた裁判。
大阪高裁(山田陽三裁判長)は1月14日、山本さんの請求を退けた1審判決を変更し、商店街側に55万円の支払いや金魚電話ボックスの廃棄を命じた。山本さんが逆転勝訴したかたちだ。
町田康さん訳「こぶとりじいさん」が話題――「古典」現代訳の著作権は誰のもの?
作家の町田康さんが現代語に訳した古典文学「こぶとりじいさん」が、「おもしろすぎる」とネットで話題になっている。
町田さん訳の「こぶとりじいさん」は、河出書房新社の「日本文学全集・宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)」に、「奇怪な鬼に瘤(こぶ)を除去される」という題名で収録されている。作品は、出版社のウェブページでも無料で公開されている。
「ここまで言うんだからマジじゃね? やっぱ、瘤、いこうよ、瘤」「もしかしてマジで夢? そう思ったお爺さんは右の頬に手を当てた」など、町田さん独特のポップな文体で語られている。
読者からは「活字苦手なわたしでも楽しく読めた」「どれも町田康小説のように面白い。というか、これは訳ではなく町田康作品そのものである」など、絶賛する声がツイッターで数多くつぶやかれている。
「宇治拾遺物語」は、中世日本の物語集だが、古典であれば、誰でも自由に現代語に訳していいのだろうか。著作権の問題は、どう考えればいいのか。井奈波朋子弁護士に聞いた。
ドワンゴ川上会長「津田さんのセルフプロデュースは日本一」(津田大介氏と議論・下)
電子書籍の未来はどうなるのか――。ジャーナリスト津田大介氏のメールマガジンをまとめた電子書籍「津田本」の発売記念イベントが7月9日夜、東京都内で開かれた。津田氏のほか、ニコニコ動画を運営するドワンゴの川上量生会長らが登壇し、白熱したディスカッションを展開した。
ネット時代の「編集者」の役割をめぐる議論で、川上氏が注目したのは、津田氏のセルフプロデュース力だ。次のような意見が交わされた。
「あなたに完璧な筋肉を見せる」半裸写真を送り、甘い言葉をささやくアンディ 【国際ロマンス詐欺#2】
「国際ロマンス詐欺」の被害が、あとをたたない。SNSで見知らぬ外国人からアプローチを受け、その巧みな話術に騙されて、恋心もあって多額の海外送金をしてしまうというもので、近年、被害は増加している。
エッセイストの紫原明子さんの元にも、国際ロマンス詐欺を疑わせる外国人男性からのメッセージが届いた。一体、彼はどんな手口で女性にささやき、心を奪ってしまうのか。「会話というのは本来すべて、何が生まれるかわからない即興のセッションのようなもの」という紫原さんが、その顛末を寄稿した。(2/3)
まだまだ流れる「過払い金」CMの謎、バブルを生んだ最高裁判決から17年 いつまで続くのか?
ラジオをつけるとやたらと聞こえてくるのが、弁護士事務所や司法書士事務所による過払い金返還請求のCMだ。
「なんと、クレジットカードにも過払い金が発生していました」「ずっと前のご利用でも大丈夫ですよ」「記憶が曖昧でも大丈夫ですよ」「間違っていてもかまいません。今すぐお電話を」「あなたも対象か、無料でご確認を」——。どのCMも早口かつ切迫感のある口調で呼びかけてくる。
過払い金の請求原因となる消費者金融や信販会社のグレーゾーン金利による貸し付けがなくなってから、既に十数年が経過している。そういえば何年か前までは「過払い金の請求権はまもなく時効を迎えます」と警告するCMも盛んに流れていた。
にもかかわらず、過払い金CMはその後もなくなるどころか、いまだに民放ラジオでは耳ざわりなほどあふれかえっている。とっくに時効を迎えていてもおかしくないはずなのに、今でも過払い金返還請求を起こせるのはなぜだろうか。そして過払い金CMはいつまで続くのか。(ジャーナリスト・角谷正樹)
世界の離婚事情…日本は「子どもに対する責任」が曖昧【棚村教授に聞く・上】
離婚後の親子関係をめぐる法や制度の見直しに注目が集まっています。 とくに日本では、諸外国と比べ、離婚時に子どもの立場が尊重されないことが指摘されています。親が離婚する家庭の子どもたちを守るためには、今後、法や制度をどのように修正していけばいいのでしょうか?
離婚と親子関係をめぐる法制度の問題に詳しい、早稲田大学法学学術院の棚村政行教授(家族法)に、お話を聞きました。(編集&ライター・大塚玲子)